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麻疹(はしか)

麻疹(はしか)

麻疹ウィルスによる感染症です。
空気感染や飛沫感染など、様々な感染経路をとり、非常に感染力が強く、手洗いやマスクでは防げません。
免疫を持たない人にうつす割合は感染者1人あたり約12〜14人。
子どもだけでなく大人も重症になります。
昔はこの病気で命を落とす子どもは多く、「7歳までは神の子」「子どもの数をかぞえるのははしかが終わってから」という言葉が伝えられています。

麻疹に関するドキュメントのPDFはこちらからダウンロードできます

<麻疹の症状>

潜伏期間は10~12日です。
最初は鼻水や咳、発熱などの風邪に似た症状が出ます(最初は診断が難しいですが、実はこの時期の感染力が最も強いです)。
その後一旦解熱したあと再び発熱し、特有の赤い発疹が全身に出ます(頭や顔から先に出ます)。
口の中にコプリック斑という白く細かい斑点が一時的に出現します。熱は7~10日ほど続き、しんどいため入院することも多いです。その後発疹は色素沈着を残して消えていきます。
症状が回復しても、しばらく免疫力が低下して他の感染症にもかかりやすく、しっかり回復するまで1か月くらいかかります。

<治療>

残念ながら治療法はなく、解熱剤や点滴などの対症療法が中心です。
合併症を起こした際に抗菌薬の使用が必要です。

<合併症>

30%の患者さんに何らかの合併症が出現します。その半数は肺炎です。死因で多いのは肺炎と脳炎です。
・脳炎(1000例に1例)
思春期以降の死因として多い。6割は回復するが25%は後遺症、致命率15%
・中耳炎
・肺炎(6%)・・・乳児の死亡例の6割は肺炎
・亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
麻疹にかかった7年後くらいに発症する難病です。とても予後が悪いです。

<死亡することも>

先進国でもかかると1000人に1人は亡くなります。インフルエンザは10000人に1人。
インフルエンザの10倍の死亡率!(日本では2000年前後の流行の際、20~30名/年の死亡)。

<登園登校の目安>

熱が下がって3日経つまでは登園登校はできません。

<麻疹かも、思ったとき、どうすればいい?>

発熱に加えて赤い発疹が出てきて麻疹かも、と思った場合には病院受診が必要です。
①あらかじめ病院に麻疹の可能性を考えていることを電話で伝えてください。
②病院を受診します。
・公共交通機関は使用しない。
自家用車がなければワクチンを2回接種済みの方や中高年の方に送迎してもらって受診を。
・途中で寄り道もしないでください。

<感染を防ぐには?>

・麻疹の感染力は強力
マスクや手洗いでは防げません。唯一の予防手段はワクチン接種のみです。

<ワクチン接種について>

〇接種回数  2回 (定期接種では1歳と小学校入学前)
免疫がつくまで 約2週間
接種できるのは  医療機関(病院・クリニック)。
小児科もクリニックによっては大人にも接種してくれるところもあり、

<定期接種以外で予防接種すべきなのはどんな人?>

〇麻疹の予防接種を過去1回しか接種されていない28歳~50歳未満の方。
2回接種で十分な免疫が付きます(97~99%)。50歳以上は流行した時代で自然免疫があります。
1990年4月以降に生まれた方は2回接種世代→接種していれば大丈夫。
1990年4月1日より前に生まれた50歳未満の方は1回接種世代で免疫が不十分。
〇海外渡航予定の方
アジア、アフリカだけでなくヨーロッパでも麻疹は流行しており、どこであれ海外渡航する際には
麻疹が2回接種されていることを確認し、足りなければ追加してから渡航してください。

<ワクチンの副反応>

初回接種後に発熱が20~30%、発疹が10%出ますが、ワクチンのせいで麻疹にかかったりする心配は
しなくても大丈夫です。

<ワクチン接種できない方>

・免疫不全などの病気の方
・1歳未満の乳児(自治体によっては公費で接種できることもあり)
・妊婦さん
ワクチンを妊娠前に2回接種していれば大丈夫。接種が未完了な場合は妊娠中は接種不可。
→これらの方は、流行がある場合には人込みを避けてください。

〇ワクチンについての注意事項
1)接種後2か月は避妊が必要です。
2)ワクチンの種類
麻疹単独ワクチンとMRワクチン(麻疹風疹混合)があります。
単独ワクチンはあまり流通しておらず、MRワクチンを接種することになります。
接種希望の際は医療機関にお問い合わせください。

ワクチンについて、よくある質問とこたえ

Q1 1歳未満の乳児は接種できませんか?

生後6か月までは母親の抗体が乳児の体に残っていて、ワクチンを接種しても中和されてしまい免疫が付きませんので接種しません。生後6か月以降1歳未満は、専門家によってさまざまな意見があり定まっていません。地域によっては公費負担で勧めるところもあります。接種した場合も1歳過ぎたら必ず定期接種は継続します。乳児のご両親は1回接種世代の可能性が高く、ご両親自身がしっかり追加接種して乳児に感染させないことが大切です。

Q2 1~6歳で就学前の2回目をまだ接種しておらず、1回しか接種していない幼児はどうすればいいですか?

基本的には1回接種が済んでいるので免疫で守られていますが、保護者がご希望であれば、この期間に任意接種(自己負担)で2回目を接種することは可能です。接種した場合も必ず就学前の定期接種は接種させてください。また定期接種対象者や2回接種完了していない成人と比べると優先順位は低くなります。

参考資料:
国立感染症研究所HP(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/518-measles.html
高山義浩:麻疹(はしか)を理解し、身を守るための21の質問(Huffpost 2018年5月10日更新)  等

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